講談社・ブルーバックスに掲題の本がある。
推計学とは推測統計学のことのようだが、私が在職していた頃、この本は仕事に役立つのではないかと思い買った。
この本は今でも私がもっている本の一つであるが、発行日を見ると昭和46年だから、その頃買ったのだろう。
この本は現在でも出版されているらしい。
この本は、それだけ好評ということか。
読んでみれば分かるが、いわゆる推計学の基礎が分かりやすく解説されていて、この学問を実学として仕事に利用する人以外の一般の市井の人にも大変役に立つ本である。
であるからして、私は未だに捨てずに此の本を残している。
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此の世の中には分からないことが多い。「分からない」 と言っても何も形而上の難問などではなく、私たちの身近な市井生活での 「分からない」 ことである。
その例を挙げよう。この本の始めのほうに漫画風の絵を交えながら平易に解説されている話である。
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或る人が、一切れ100円と書いてあるパン屋から毎日パンを買っている。
しかし毎日買っている其のパンには厚みの差があるように感ぜられる。
そのパン屋は果たして一切れ100円のパンを本当に正直に売っているのだろうか?
これを 「なんとなく」 とか 「勘(かん)」 などではなく、キチンと科学的に調べるにはどうしたら良いのだろうか ?
この種の 「疑惑」 は、まさに市井生活での 「分からないこと」 の代表例だろう。
この種の疑惑を晴らすにはどうしたらよいか?
その方法は、毎日買うパンの重さを量っておき、その分布を調べることである。
もし、その分布が正規分布 ( ←勿論、この本で平易に解説されている ) にならなければ、そのパン屋は何らかのインチキをしていることが分かる。(この本のp.38~参照)
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機械製品をはじめ人の身長などの自然現象は正規分布するものが多いと言う。
逆に、もし、それらが正規分布していなっかたら、そこには、なんらかの不自然な「作為」があるとみてよい。
それが工場で作られる製品ならば工程に異常があることになり是正せねばならない、というわけだ。