2014年8月12日火曜日

『安井夫人』(森鴎外)

私は森鴎外の幾つかの小説が好きである。その中の一つが掲題の短編。
この感想を書こうと何か月前に読み返したのだが書くのが伸び伸びになっていた。
知っている人は知っている短編だからストーリーは省略するが、この短編で印象的なのは、後に安井夫人になる若き娘が、ためらいがちに自身の想いを『耳を赤くしながら』告白する箇所だろう。
鴎外の幾つかの小説には似た性質の女性が登場する。その共通した点は、内省的な自律性と、内省的な献身性である。 鴎外好みの女性たちだろう。
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『安井夫人』が求めていたのは結局何だったろうか。
鴎外自身が其れを問うている。『男性』を超えているのである。 

案外、こういう女性たちは多く居ただろうし、今も居るだろうし、今後も居続けるだろう。 それが女性という存在かも知れない。