2016年8月3日水曜日

内田百閒 『サラサーテの盤』(朗読:内田朝雄)

私は内田百閒の、例えば掲題の『サラサーテの盤』、『東京日記』、『冥途』等の小説が好きだ。幸いに『サラサーテの盤』はYou Tube で聞くことが出来るのでリンクしておく。
内田百閒 『サラサーテの盤』は1980年に鈴木清順監督によって映画化された。
私は此の映画を、昔、観ているはずであるが、其の内容は、今や全く忘れてしまった。
私の記憶違いかも知れないが、この映画で橋が登場したと思う。
この橋が我が故郷・旧東海道の島田宿と金谷宿の間の大井川に、かかっている蓬萊橋(ほうらいばし)に酷似していた、という記憶がある。
その橋の写真を掲載しておく。
ネットで検索すると此の橋は以下のように書かれている。
大井川にかかる蓬萊橋(ほうらいばし)は、全長897.4メートル、通行幅2.4メートルの木造歩道橋です。「厄なし(8974)の橋」や「長生き(長い木)の橋」とも呼ばれています。
あの世と、この世との間にかかる橋という意味もあるのかどうか、そんな気もする。
『東京日記』については別の機会に書く。
『冥途』について、芥川龍之介が『点水』という随筆で以下のように評している。
(前略) (内田百閒が)見た儘に書いた夢の話である。出来は六篇の小品中、「冥途」が最も見事である。たつた三頁ばかりの小品だが、あの中には西洋じみない、気もちの好いい Pathos が流れてゐる。(後略)
『気もちの好いい Pathos』と言えば、私は映画『異人たちとの夏』(1988)を連想する。

この映画も、一種の怪異譚であった。