2015年6月18日木曜日

『素数に取り憑かれた人々』(ジョン・ダービーシャー著、日経BP社)

掲題の本は『リーマン予想』の一般読者向けの解説書である。

著者は此の本を読んで『リーマン予想』が何を意味しているか理解できなければ、どの本を読んでも理解できないだろうと断言している。

なるほど、この本では高校の数学にもどって、懇切丁寧に必要な数学の基礎知識から解説している。

この本で『オイラーの積の公式』が解説されている。

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オイラーの積の公式とは以下の等式を言う。

1より大きい変数をs、正整数をn、素数をpとするとき、
1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+1/5^s+1/6^s+・・・・+1/n^s+・・・・・
     ={1/(1-2^-s)}{1/(1-3^-s)}{1/(1-5^-s)}{1/(1-7^-s)}・・・・{1/(1-p^-s)}・・・・・・

このテの話に慣れていない人は上式を見ただけでウンザリするだろうが、この式が成立することの証明は、たぶん大学受験レベルの問題となるだろう。

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著者は此の式の証明が書かれた数学の教科書を調べあげ、一番理解し易い証明方法を見つけたそうである。

そこで、一応、念のため、オイラーの原本での証明を調べてみたところ、なんとオイラー自身の証明のほうが遥かに簡潔で理解が容易であることが分かったそうである。

この本では此のオイラーの証明方法によって上式を証明・解説している。

それを読むとナルホド・ナルホドと大納得してしまう。このオイラーの証明は中学生でも容易に理解できるだろう。

著者は、こう書いている。

『原典に当たるに越したことはないとは、やはり真実である。』

これは一般的な教訓でもある。

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モノゴトを真に理解していない人間ほど、そのモノゴトを晦渋に説明する、という教訓である。
勿論、私の自戒の言葉でもある。

ちなみに、上式はsを複素変数とするとζ(ゼータ)関数といって、知る人ぞ知る超難問:リーマン予想の主題の式である。

上記の本はリーマン予想に関しての一般読者向けのお勧めの本である。