実に面白かった。私としては珍しく一気に読んでしまった。
何が面白かったか? 其れは斎藤明美という人物から見た高峰秀子の『実像』が活写されているからだ。
斎藤明美は、高峰秀子夫妻の養女になった元記者(週刊文春)だが、其の記者という言わば写真機が高峰秀子という被写体を活写しているのだ。
その面白さの主体は高峰秀子というに稀有な人間自体にあるのは勿論だが、著者の闊達な文章にも依っている。
この本の中で紹介されている逸話での「傑作」は、『高峰秀子が乗り移る』と題された話で、高峰秀子という人間が如何に『変わった人』であったかが実に雄弁に読み手に伝わってくる。
『変わった人』とは? それを、もし、知りたいならば、是非一読を勧める(167頁)